「国際政治経済学」授業の感想

自身にとって、休学明けの授業としてとても良い印象を持った。理路整然とした授業内容は今期のオアシスだった。以下は求められた授業の感想であるが、割と丁寧に書いたのでここに置いておく。

もっとも私は進学を考え、しかも自身の中心的な興味と「国際政治経済学」とは離れている。それでも真面目に取り組めたと思っている。学習心理学者や社会心理学の一部は、他の文系学問研究者よりも科学らしく振る舞っており、大っぴらに言う者は少ないが、政治には興味がないと割り切っている心理学者 (知り合い)をいくらか知っている。社会心理学で言えば、おそらく国際政治経済学と扱う集団の規模が異なると思うが (社会心理学で国家間を議論する機会は少ない、いや、ほぼない?)、同じ複雑性に挑む学問として、政治に興味がないと言い切るのは、すこし思い切りが過ぎている気がする。ある程度政治について理解がなければ、「我々は明確に政治に関わらない、興味がない」と主張することは難しい。同時に、自身の政治への知識の無さがそう考えさせてるのかもしれない。そういう日常的な経緯があり、避けていた国際政治に関わる授業に今回挑むことにした。初学者だからだとは思うが、なかなか楽しめた。また、授業後、テキスト (中西寛, 石田淳, 田所昌幸 (2013). 国際政治学. 有斐閣 (これは元から家にあったので参考にしていた。テキスト後半から国際政治経済学への説明もある))の前書きをはじめ、複雑性への取り組み方 (科学的方法と価値評価的方法) や分析手法について読むとなかなか面白く読めた。比較すると、心理学はどちらかと言えば科学的手法に傾倒しているように思う(本当に科学的かは分からない)。また、どうやら政治学の基本的な概念も主観的価値判断が入り込んでるのだという。心理学もそうだ。心理的概念と呼ばれる用語の多くは日常的に用いる用語とはある程度距離をとり、客観性を持たせないといけない。実験を行って定義をすることもある (操作的定義)。構成主義の話も両学問とも同じように出てくる。詳しくは両者で意味することは異なるが、機能的というか、システマティックに論じる態度が存在することは共通している(これは文系全体にあった流れだとは思うが…構造主義? ソシュール? ちょっと分かっていない)。
ともかく、学問への姿勢や取り組みの困難さに、ある程度のシンパシーを抱いた。これで国際政治学・国際政治経済学が自身にとって見逃せない分野となった。